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2026.10.08

公共施設の広報・プロモーション講座④

写真で伝わる施設、伝わらない施設

公共施設のホームページやパンフレットを見ると、立派な建物の写真が掲載されていることがあります。
もちろん施設を紹介するうえで建物の外観写真は重要です。しかし、それだけで施設の魅力が伝わるとは限りません。

実は利用者が知りたいのは、建物そのものではなく、
「そこでどのような体験ができるのか」ということです。

広報において写真は、施設の魅力を最も直感的に伝える手段の一つです。同じ施設であっても、写真の選び方によって印象は大きく変わります。
今回は、公共施設の広報における写真の考え方について解説します。

利用者は文章より先に写真を見る

ホームページやパンフレットを手に取ったとき、多くの人は最初から文章を読むわけではありません。まず目に入るのは写真です。

その写真を見て、

  • 「楽しそう」
  • 「行ってみたい」
  • 「自分にも関係がありそう」

と感じたときに初めて、詳しい情報を読もうとします。

つまり写真は、利用者の興味を引き出す入口なのです。
どれだけ良い内容が書かれていても、写真で関心を持ってもらえなければ読まれない可能性があります。

建物の写真だけでは魅力は伝わらない

公共施設の広報でよく見かけるのが、施設の外観写真を中心に構成された紙面です。
もちろん施設を紹介するためには必要な写真ですが、それだけでは利用者の行動にはつながりにくい場合があります。

例えば公園であれば、利用者が楽しそうに遊んでいる様子。
スポーツ施設であれば、実際に運動をしている様子。
文化施設であれば、イベントやワークショップの様子。

こうした写真の方が、利用後のイメージを持ちやすくなります。
利用者が見たいのは施設そのものではなく、「その施設で過ごす自分の姿」なのです。

写真は「施設」ではなく「体験」を伝える

良い写真には共通点があります。

それは、人の活動が写っていることです。

例えば同じ図書館でも、
本棚だけが並んでいる写真より、
親子が絵本を読んでいる写真の方が魅力的に感じられます。

同じ公園でも、遊具だけの写真より、
子どもたちが楽しそうに遊んでいる写真の方が利用シーンを想像できます。

写真は施設を説明するためのものではありません。
利用者に体験を想像してもらうためのものです。
その視点で写真を選ぶだけでも、広報の印象は大きく変わります。

利用者目線で写真を選ぶ

施設を運営していると、
「新しい設備を導入した」
「建物を改修した」
といった情報を伝えたくなります。

しかし利用者は設備そのものに興味があるとは限りません。

利用者が知りたいのは、「自分にどんなメリットがあるのか」です。

例えば新しい遊具を設置したのであれば、遊具単体の写真だけではなく、実際に遊んでいる様子を撮影する方が魅力は伝わります。
写真を選ぶときは、「利用者は何を見たいだろうか」という視点を持つことが大切です。

写真が施設のブランドをつくる

写真は単なる記録ではありません。施設の印象そのものをつくる要素です。
明るく楽しそうな写真が多い施設は親しみやすい印象になります。
落ち着いた雰囲気の写真が多い施設は知的で上質な印象になります。

つまり写真の積み重ねによって、
「どんな施設なのか」
というブランドイメージが形成されていくのです。

ホームページ、パンフレット、SNSなどで使用する写真の雰囲気を統一することも、施設の魅力を伝えるうえで重要なポイントになります。

まとめ

公共施設の広報において、写真は単なる説明資料ではありません。
利用者に施設の魅力を伝え、利用シーンを想像してもらうための重要なコミュニケーションツールです。

建物や設備を見せることも大切ですが、それ以上に重要なのは、その施設でどのような体験ができるのかを伝えることです。
利用者は施設を利用したいのではありません。

そこで得られる時間や体験に魅力を感じているのです。

写真を選ぶ際には、「この写真を見た人は利用後の姿を想像できるだろうか」
という視点を持つことが、より良い広報につながります。

次回予告

第5回は、
 
「パンフレットは何を載せるべきか?」
 
をテーマに、公共施設のパンフレットでよくある失敗例や、利用者に伝わる構成の考え方について解説します。
施設紹介ではなく、利用促進につながるパンフレットとは何かを考えていきます。

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