2026.08.24
公共施設の広報・プロモーション講座①
公共施設は「整備する」だけでは価値にならない
公共施設の整備事業では、
- 新しい建物をつくる
- 設備を更新する
- 魅力的な空間を整備する
ことに多くの時間と予算が投じられます。
しかし、どれだけ素晴らしい施設を整備しても、市民に利用されなければ、その価値を十分に発揮することはできません。
近年、指定管理者制度やPPP/PFI事業の普及により、公共施設に求められる役割は大きく変化しています。
以前は「適切に維持管理すること」が重視されていましたが、現在は「多くの市民に利用されること」も重要な評価項目となっています。
そのため、施設整備と同じくらい重要なのが広報・プロモーションです。
施設運営の現場では、「こんなに良い施設なのに利用者が増えない」という声を耳にすることがあります。
しかし、利用者の立場から考えると、
- 施設の存在を知らない
- どんなことができるのか分からない
- 自分に関係がある施設だと思っていない
というケースは少なくありません。
つまり、利用者が来ない原因は施設の魅力不足ではなく、「情報が届いていない」可能性があるのです。

広報は「お知らせ」ではない
公共施設の広報というと、
- イベント情報の掲載
- 休館日のお知らせ
- 利用案内の発信
をイメージする方も多いと思います。もちろんこれらも重要です。
しかし、本来の広報は単なる情報発信ではありません。
広報の目的は、「施設の価値を伝えること」です。
例えば図書館であれば、「本を借りる場所」ではなく、「学びや交流が生まれる場所」として伝えることができます。
スポーツ施設であれば、「運動する場所」ではなく、「健康づくりや仲間づくりの場」として伝えることができます。
同じ施設でも、伝え方によって利用者の感じ方は大きく変わります。
利用促進は整備前から始まっている
近年の指定管理者公募やPPP/PFI事業では、
- 利用促進策
- 情報発信計画
- 広報戦略
が提案評価項目として設定されるケースが増えています。
これは、施設が完成してから利用者を集めるのではなく、整備段階から利用者を意識することが求められているためです。
施設整備と広報は別の業務ではなく、本来は一体で考えるべきものなのです。
「使われる施設」をつくるために
公共施設にとって本当に重要なのは、立派な施設をつくることではなく、市民に使われ続けることです。
そのためには、
誰に利用してほしいのか
どんな価値を提供するのか
どのように情報を届けるのか
を整理しなければなりません。
広報・プロモーションは、施設完成後の付属業務ではありません。施設の価値を最大化するための重要な運営戦略です。
次回は、
をテーマに、
- 利用者分析
- ターゲット設定
- ペルソナの考え方
について解説します。
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